【防災・BCPニュース】2027年、世界でコンテナ船が大幅増加へ!物流の変化から考える企業のBCP対策

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私たちの生活や企業活動を支えている「物流」。

普段何気なく使っている商品や、工場で使用する原材料・部品の多くが、世界各国から船によって運ばれています。
そんな国際物流に関して、注目すべきニュースがあります。

2027年、世界で約300万TEUもの新造コンテナ船が納入される見通しです。

一見すると海運業界だけのニュースに思えますが、実は製造業や卸売業をはじめ、多くの企業の事業継続にも関わる話です。

今回は、このニュースをわかりやすく紹介しながら、BCP(事業継続計画)の観点で考えてみたいと思います。

そもそもコンテナとは?

コンテナとは、貨物を効率よく輸送するための大型の箱のことです。

一般的な海上輸送用コンテナは、耐久性や耐食性に優れた「耐候性鋼材(コルテン鋼など)」を主な素材として作られています。

側面が波形になっているのは、強度を高めるためです。

船だけでなく、トラックや鉄道にも積み替えられるため、世界中の物流で活躍しています。

そして、今回のニュースに登場する「TEU(ティーイーユー)」とは、コンテナ船の積載能力を表す単位です。

  • 20フィートコンテナ(長さ約6m)=1TEU
  • 40フィートコンテナ(長さ約12m)=2TEU

つまり「300万TEUの新造船」とは、コンテナそのものが300万個増えるという意味ではなく、
20フィートコンテナ約300万個分を積載できる船舶が、新たに納入される計画ということです。


なぜコンテナ船が大量に増えるのか?

背景の一つには、コロナ禍以降に起きた世界的な海上輸送の混乱があります。

当時は物流の停滞やコンテナ船不足などにより、海上運賃が大きく上昇しました。

こうした状況を受け、世界の海運会社は新しいコンテナ船を次々と発注しました。

その船が数年の建造期間を経て、2027年にかけて大量に納入される見通しとなっています。

また、LNGやメタノールなどの燃料に対応する新造船の導入も進んでおり、環境規制への対応も船舶更新の背景にあります。

コンテナ船が増えると、企業にはどのような影響があるのか?

まず期待されるのが、海上運賃の下落です。

輸送できる貨物の量が増えることで、輸送スペースに余裕が生まれ、輸出入企業にとって物流コストの削減につながる可能性があります。

しかし、ここで注意したいことがあります。

「船が増えること」と「物流が止まらなくなること」は、まったく別の話です。
例えば、国際物流には次のようなリスクがあります。

  • 地震や台風などによる港湾施設の被害
  • 紛争や国際情勢の悪化による航路変更
  • 港湾の混雑やストライキによる輸送の遅延
  • 海運会社の減便や運航スケジュールの変更

実際に紅海周辺の情勢悪化では、一部の船舶がスエズ運河を避け、アフリカ南端を迂回する航路を選択してきました。

こうした状況では、船舶が増えても、予定どおりに荷物が届くとは限りません。

また、供給過剰によって運賃が下がれば、海運会社が減便などで輸送能力を調整することも考えられます。

ここで重要になるのが「物流BCP」です

BCPと聞くと、地震や水害への対策をイメージする方が多いのではないでしょうか。

もちろん、従業員の安全確保や建物・設備の被害対策は非常に重要です。

しかし、建物も従業員も無事だったとしても、必要な原材料が届かなければ工場は稼働できません。

反対に、製品を製造できても、出荷する手段がなければお客様へ届けることができません。

つまり、自社が被災していなくても、物流の停止によって事業が止まる可能性があるのです。

例えば、海外から部品を仕入れている製造業の場合、次のような備えが考えられます。

① 調達先や輸送ルートを把握する

原材料や部品が、どの国・どの港を経由して届くのかを確認しておく。

② 代替手段を検討する

通常の調達先から仕入れられなくなった場合に備え、別の仕入先や輸送ルート、必要な在庫量などを検討する。

③ 物流が止まった場合の対応を決める

何日間の遅延まで対応できるのか、いつ代替調達に切り替えるのか、誰が判断するのかを整理しておく。

こうした取り組みも、立派なBCPの一つです。


まとめ|物流の変化を、自社のBCPを見直すきっかけに

2027年には、新造コンテナ船の大量納入によって、世界の海運市場に大きな変化が訪れる可能性があります。

輸送能力の増加は物流コストの削減につながる一方、国際情勢や自然災害などによる物流停止のリスクがなくなるわけではありません。

大切なのは、ニュースを知ることだけでなく、

「もし明日、必要な部品や商品が届かなくなったら、自社の事業は何日間継続できるだろうか?」

と、自社に置き換えて考えてみることです。

BCPは、特別な企業だけが取り組むものではありません。

まずは日々の業務の中に潜んでいるリスクを知り、できることから備えていくことが大切です。

BCPJAPANでは、こうした事業継続上の課題整理から、BCPの策定・訓練まで、企業の防災・事業継続への取り組みを支援しています。

この機会に、皆さまの会社でも「物流が止まった場合」について考えてみてはいかがでしょうか。


※参考資料:Alphalinerの新造船納入見通し、BIMCO「Container Shipping Market Overview & Outlook」(2026年9月)